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エクソソーム アプリケーションノート2

血漿Exosome由来のmicroRNA発現解析

~ miRNAarray実験投入量の検証 ~

近年、血中バイオマーカーとして注目を集めるExosome由来のmicroRNAは微量なサンプルです。通常のマイクロアレイ実験の基準を満たすことが出来ずお困りの方へ、健常人血漿より単離したExosome由来のmicroRNAを用いた解析例をご紹介します。

実験解析方法

サンプル抽出・QC
健常人血漿サンプル(GWSD1010-EDTA-2K)を0.22μmフィルター処理後、exoRNeasy Serum/Plasma Maxi Kit (QIAGEN)を用いてEVs由来のRNA抽出を行った。Bioanalyzer Pico kit(Agilent)によりサンプルのクオリティチェックおよびRNA濃度を測定し、マイクロアレイ実験投入量を決定した(Fig.1)。

Fig.1 Bioanalyzer pico kitの波形

RNA抽出結果の Small RNAピークの波形

マイクロアレイ実験解析

Bioanalyzer濃度で5、10、20、50ngをRNA投入量とし、N=2でAgilent Human miRNA Microarray Kit Release 21.0、8x60K (Agilent)を用いてProtocolに従い実験を行った。解析にはGeneSpring ver.13.1.1を使用した。Scatter Plotにはシグナルの検出されたプローブのみを使用した。

結果・考察

マイクロアレイ実験の結果、全てのRNA投入量で高い再現性が示された。RNA投入量が増えるに従い、低発現側のプローブが検出され、検出されるプローブ数は増加した(Fig.2)。

Fig.2 RNA投入量と検出プローブ数

RNA投入量ごとのマイクロアレイ実験で得られた検出プローブ数の平均値

高発現領域の検出プローブのランキングはRNA投入量に影響されない。ある3種のmicroRNA(★印)に注目して確認したところ、順位は変わらず発現値が高くなることが分かった。また、投入量が増えることにより低発現側のバラつきが減り、信頼度が上がると考えられる(Fig.3)。

Fig.3 Scatter Plot

RNA投入量ごとの実験再現性比較。
5ngで検出限界以下のプローブ(赤)、発現値が高い上位40のプローブ(水色)

以上のことから、血漿Exosome由来の微量なmicroRNAにおいても感度良くマイクロアレイで発現解析が可能であった。得られるRNA量とデータ量で試験系を考えることが重要である。

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