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肺がん コンパクトパネル® Dx マルチコンパニオン診断システム

肺がん コンパクトパネル® Dx マルチコンパニオン診断システム
- 日本の肺がん診療ニーズに応えた遺伝子パネル検査 -
◆非小細胞肺癌に特化した、次世代シーケンス(NGS)技術を用いたコンパニオン診断システムです。複数のドライバー遺伝子変異を同時に検出します。
◆7つのドライバー遺伝子変異に対応する11種類の分子標的薬の適応を判定するための補助に用いることができます。

承認情報

製品名肺がん コンパクトパネル® Dx マルチコンパニオン診断システム
一般的名称体細胞遺伝子変異解析プログラム(抗悪性腫瘍薬適応判定用)
JMDNコード70159013
医療機器分類高度管理医療機器
承認番号30400BZX00263000
承認年月日2022年11月16日
一部変更承認日2024年1月26日
販売開始年月2023年1月

ニュース

特徴

1.肺がんの治療薬選択に重要な遺伝子を一括で検出

7つのドライバー遺伝子変異に対応する次世代シーケンス技術を用いたコンパニオン診断システムです。EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異、KRAS遺伝子変異 (G12C)、 BRAF遺伝子変異(V600E) 、RET融合遺伝子と研究用としてHER2(ERBB2)遺伝子変異を検出します 。

対象遺伝子変異に対する分子標的治療薬一覧

  測定対象 関連する医薬品
CDx EGFR遺伝子変異 ゲフィチニブ
エルロチニブ塩酸塩
アファチニブマレイン酸塩
オシメルチニブメシル酸塩
CDx ALK融合遺伝子 アレクチニブ塩酸塩
クリゾチニブ
ブリグチニブ
CDx ROS1融合遺伝子 クリゾチニブ
CDx MET遺伝子エクソン14スキッピング変異 テポチニブ塩酸​塩水和物
CDx KRAS遺伝子変異(G12C) ソトラシブ
CDx BRAF遺伝子変異(V600E) ダブラフェニブメシル酸塩およびトラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物
CDx RET融合遺伝子 セルペルカチニブ
研究用 HER2(ERBB2)遺伝子変異 計画中

2.高い検出感度:1%(0.1%~0.54%)

解析する遺伝子を絞り、小グループ(モジュール)にわけて分割処理し、十分な深度でシーケンス解析することで、検出感度1%を実現することができました。
重要な遺伝子変異のみを重点的にシーケンスすることで、検体中に少量の変異しか含まれない場合でも検出が可能です。

また、性能評価試験ではアレル頻度(変異頻度)* 0%と1%の検体を陽性、陰性と判別することが確認されており、偽陽性および偽陰性が少ない検査となっております。
* 変異頻度・アレル頻度 Variant Allele Fraction = 変異DNA の分子数 / 正常細胞由来の分子数+ 腫瘍由来の分子数

3.細胞診検体にも対応

既承認品で検体として多く利用されている未染スライド(FFPE: formalin fixed paraffin embedded)検体だけでなく、気管支ブラシ擦過診(TBB)針洗浄液(TBNA) などの細胞診検体でも検出が可能です。

肺がん コンパクトパネル® Dx マルチコンパニオン診断システムの細胞診検体を用いた有用性検証試験では、解析成功率100%、既承認品と比較しても陽性一致率は98.7%でした。

4.新しいドライバー遺伝子変異の検出を追加することが可能なモジュール構造

将来的に、新しいドライバー遺伝子変異を検出する必要となる場合があります。
このようなケースに対応できるように、既に確立したモジュール(反応単位)とは別のモジュールを追加できるような設計をしています。すでに検出する遺伝子変異の検査精度に影響しないように、新規ターゲットを追加するようにしています。

5.国産初の肺がん遺伝子パネル

肺がんのがん遺伝子パネルとしては国産初となります。奈良先端科学技術大学院大学と大阪国際がんセンターの研究成果から開発をしました。

対象検体と必要核酸量

対象検体

対象検体 検体量 腫瘍割合 保存条件
未染スライド(FFPE) 手術検体:4 ~ 5 μm × 2 ~ 5枚、8mm² 程度 5 %以上
(推奨)
室温
生検検体:4 ~ 5 μm × 5 ~ 10枚、4mm² 程度以上
僅少な生検検体:4 ~ 5 μm × 15 ~ 20枚、4mm² 程度以下
細胞診 1mg(1mm角) 冷蔵(GM管)*
凍結
(細胞診沈査)
未固定組織 1mg(1mm角)以上 凍結
* GM管(ジーンメトリックス核酸保存液封入容器)
ジーンメトリックス社が開発した組織検体内の核酸を室温または冷蔵で長期にわたり安定的に保存する溶液管

必要核酸量

10ngあればアッセイ可能

核酸 必要量
DNA > 10ng
RNA > 10ng

腫瘍割合

  • 腫瘍割合は5%以上を推奨しております。

検体の取扱いにおける留意点

  • 未固定組織は検体採取後、直ちに処理してください。
  • 未固定組織はご提出された検体量が少ない場合には、検査不能となる場合がございます。
  • 最低保証のアレル頻度LoD1%から換算すると、腫瘍割合は2%必要となります。これを下回る場合偽陰性になるリスクがあります。

よくあるご質問

本検査はどのような検査ですか?
肺癌に特化した次世代シーケンス(次世代シークエンス、NGS)技術を用いたマルチコンパニオン診断システムになります。奈良先端科学技術大学院大学と大阪国際がんセンターの研究成果を導入して開発されました。本検査では7つのドライバー遺伝子に対応する11種類の分子標的薬の適応判定補助に用いることができます。
次世代シーケンス(次世代シークエンス、NGS)技術とは何ですか?
次世代シーケンサー(Next Generation Sequencer:NGS)と呼ばれる装置を用いた DNAの塩基配列を大量かつ高速に解読する技術になります。
本検査はどの遺伝子変異、融合遺伝子を検出できますか?
本検査のバリアント一覧については、電子添付文書をご覧ください。
本検査のコンパニオン診断(CDx)の対象となる遺伝子変異を教えてください。
EGFR遺伝子、ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異、KRAS遺伝子変異(G12C)、BRAF遺伝子変異(V600E)、RET融合遺伝子の7つの遺伝子変異となります。
本検査の使用目的に記載されていないが、本検査で検出可能な遺伝子のバリアントの判定結果にもとづいて投薬判断を行ってもよいですか?
本検査の使用目的に記載されていない遺伝子(体外診断用医薬品としての承認対象外の遺伝子)のバリアントについても本検査で検出される場合がありますが、それらの分析的妥当性および臨床的妥当性は現時点では確認されておりません。
このため、本検査の添付文書の使用目的に記載されていない遺伝子のバリアントが検出された場合でも、そのバリアントに対応する治療薬の投薬判断には使用できません。
必ず対象となる治療薬において、体外診断用医薬品として承認されているコンパニオン診断薬を用いた検査を実施して対象治療薬の投薬をご判断いただけますようお願いいたします。
既承認品との一致率を教えてください。
FFPE組織(1,467症例)を対象とした臨床性能評価にて既承認品と高い一致率が確認されました。
> 性能評価試験・検証試験
測定対象となる検体材料はどのようなものでしょうか?
未塗標本スライド(FFPE)、細胞診、未固定組織(凍結)の3つの検体種が検査可能です。

検体提出の詳細
測定対象となる検体材料の作製手順を教えてください。
それぞれの検体材料の作製手順に関しては下記PDFをご確認ください。

検体提出の詳細
検体採取時期に規定はありますか?
検体採取時期に規定はありません。
GM管とはどのようなものですか?
ジーンメトリックス社が開発した組織検体内の核酸を室温で長期に渡り安定的に保存する核酸保存液封入容器になり肺がんコンパクトパネルDxマルチコンパニオン診断システムの細胞診検体提出の際に用います。詳細に関しては製品パンフレットをご確認ください。
本検査の解析はどこで実施されますか?
株式会社DNAチップ研究所メディカルラボラトリーにて実施致します。
本検査を依頼するにはどうすればいいですか?
本検査の依頼に関してはお取引のある検査センター様にご相談ください。
本検査にはどのくらいの費用がかかりますか?
本検査の取扱いのある検査センター様へお問い合わせください。

用語説明

非小細胞肺癌
non-small cell lung cancer(NSCLC)。上皮性肺癌のうち、小細胞肺癌(SCLC)を除くすべてのタイプが含まれ、肺癌全体の 90%を占める。
次世代シーケンス
(次世代シークエンス)
次世代シーケンサー(Next Generation Sequencer:NGS)と呼ばれる装置を用いた DNA の塩基配列を大量かつ高速に解読する技術。
コンパニオン診断
Companion Diagnostics(CDx) 特定の医薬品の有効性及び安全性を特定するために行われる検査で、治療薬剤の選択や投与 量を予測するために行われる臨床検査。
ドライバー遺伝子変異
癌細胞の増殖に密接に関連する遺伝子。
EFGR 遺伝子変異
日本人の非小細胞肺癌の約 40%が有する受容体チロシンキナーゼの 1 つである EGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子のドライバー遺伝子変異。
ALK 融合遺伝子
細胞の増殖に関わる ALK 遺伝子と他の遺伝子が融合してできる特殊な遺伝子で、肺がんにおける重要なドライバー遺伝子変異の1つ。
ROS1融合遺伝子
細胞の増殖を促進するシグナル伝達に関与する ROS1 遺伝子と他の遺伝子が融合してできる特殊な遺伝子で、肺がんにおける重要なドライバー遺伝子変異の1つ。
MET 遺伝子エクソン 14 スキッピング変異
細胞の増殖や運動性に関与する MET 遺伝子に生じるドライバー遺伝子変異。MET 遺伝子のイントロン領域などの変異により、エクソン 14 が翻訳されなくなる変異。
モジュール構造
遺伝子1つ1つではなく、複数のドライバー遺伝子変異を1つのセットにして検出反応することを指しています。モジュール構造にすることで新たな遺伝子変異を追加で検査する場合には既存のモジュールとは別のモジュールで検出することで、ほかの検査結果に影響を与えないようにしています。

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