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マンマプリント(一般の方向け)
乳がん再発予測多遺伝子アッセイ

マンマプリント(MammaPrint®)とブループリント(BluePrint®)は
乳がんの治療方針を判断するために有⽤な情報を提供する遺伝子検査(多遺伝子アッセイ)です。

マンマプリント
再発にかかわる遺伝⼦を調べることにより「再発リスク」の予測をし「化学療法を回避できるか」の判断を可能にする検査です
ブループリント
がんの増殖にかかわる遺伝⼦を調べることにより腫瘍を「分⼦サブタイプ」に分類し適切な治療選択を可能にする検査です

検査にあたっては、マンマプリント単体、もしくはマンマプリント+ブループリントを組み合わせて実施します。

はじめに

ひと口に乳がんと言っても、患者さんによって状態もタイプもさまざまです。
その患者さん一人ひとりに、最適な治療法を選択するにはどうすれば良いでしょうか。

ひとつの方法として、手術などで取り出した「がん細胞(腫瘍組織)」を遺伝子検査するという方法があります。

マンマプリント+ブループリントは、遺伝子検査によって患者さんごとのがんの状態をより詳しく分析することで、患者さんと担当医師が最善の治療法を選択するためのお手伝いをします。

乳がんってどんなもの?

乳がんは、乳房にある乳腺にできる悪性腫瘍です。90%以上の乳がんは、この乳腺にある「乳管」と呼ばれるところから発生します。
早期の乳がんでは自覚症状があまり感じられません。病気の進行とともにがん細胞が増殖し、血管やリンパ管を介して体内の別の組織へと広がります。

がんのステージって?

がんの進行は0~IVの5段階(ステージ)で表され、がんの大きさや転移があるかどうかといった情報で分類されます。
また、乳がんはホルモン感受性やがん細胞がどれくらい活発かなどの情報により「サブタイプ」に分けられ、それぞれのサブタイプに合った治療⽅法を選ぶことで治療成績が向上することがわかってきました。

どんな治療方法があるの?

がんの治療は、患者さんの体の状態や年齢、進行具合(ステージ)やがんの大きさ、タイプ(サブタイプ)、再発リスクの高さなど、複数の情報をもとに最適な方法を選択します。治療法には、手術による摘出、放射線療法、ホルモン療法、化学療法、分子標的療法などがあります。
マンマプリント+ブループリントを行うことで、自分に最適な治療を選択できる可能性が広がります。

どうやって検査を受けるの?

マンマプリント・ブループリントは、手術(または生検)により採取したがん細胞をアジェンディア社に送付して解析します。
検査をご希望の場合はかかりつけの医療機関もしくは担当医師にお申し出ください。

参考になるサイト

患者さんのための乳癌診療ガイドライン
https://jbcs.xsrv.jp/guidline/p2019/guidline/
患者の方やご家族が乳がんの正しい知識を得ることを目的に作られたガイドラインです。
日本乳癌学会の医師を中心に看護師,薬剤師のほかに患者の方も参加して作られています。

乳癌診療ガイドライン
https://jbcs.xsrv.jp/guidline/2018/index/
医師向けのガイドラインですが、MammaPrintの推奨について記載があります。

国立がん研究センターがん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/index.html
国立がん研究センターが運営するがん全般について解説したページです。
診断治療に関する内容から生活療養支援に関する内容があります。

乳がんについて

乳がんについて詳しくは乳癌学会や国立がん研究センターのウェブページでご確認いただけます。
ここでは概略をご案内します。

乳がんの発生と転移について

がんとは、本来なら正常な細胞の遺伝子に、何らかの原因で傷がついてしまうことで正常な細胞が悪性腫瘍(がん細胞)へと変異・増殖したものを指します。
がん細胞が血管やリンパ管に漏れ出すと、流れ着いた場所から更に血管・リンパ管の外に浸出し、体内の別の場所(例えばリンパ節、骨、脳など)でもがんがつくられるようになります。これががんの転移です。

乳がんと診断されたときに転移が見つかる場合と、手術などの治療によりがんが認められなくなっても数か月~数年後に転移が見つかる場合があります。後者を再発といいます。

乳がんの再発について

乳がんの診断後、担当医師は、がんの腫瘍組織を完全に取り除くことを第一の目標とします。手術によって腫瘍組織をすべて取り除いたにも関わらず、数ヶ月後あるいは数年後に乳がんが再発することがあります。これはがんの予後診断が大変難しいためで、摘出された腫瘍の外観やリンパ節等への転移、病理像などを詳しく調べても、手術後の腫瘍の拡散の可能性を確実に判断することは非常に困難です。

たとえ摘出された乳がん腫瘍がとても小さく、一見良性と思われても、実際にはとても危険な場合もあります。そのため、手術によってがんを取り除いた後も、再発・転移を防ぐための治療が予定されています。ホルモン療法や化学療法はその中の大事な治療法です。

しかし、化学療法は、身体への負担が非常に高いものですから、この治療が本当に必要な人を見分けて処置を行いたいという要望がありました。担当医師は、術後の治療について、ホルモン療法や化学療法の必要性を含め、一人一人の患者さんへの最善の治療計画を立てます。このため、手術時に切除した腫瘍組織の病理検査を含め、様々な検査をします。腫瘍の進行性を完全に把握するための努力が日々重ねられています。

乳がん診断から治療まで

マンマプリントや、ブループリントといった多遺伝子アッセイを行う目的は、そのがん細胞がどのような理由により広がろうとしているのか、がんの特徴について調べることです。がんの特徴を知ることにより、他の検査結果と合わせて考えて、より適した治療計画を立てることができます。

検査について

マンマプリントでは何が調べられるのでしょう?

マンマプリントでは、がん細胞の遺伝子を調べることで再発のリスクがどれくらいあるのか、また再発を防ぐために化学療法が役立つかどうかの情報が得られます。

「ハイリスク」は、再発リスクが高く、化学療法が有効であるとされています(5年後の再発リスク11.7%)。
「ローリスク」は、再発リスクが低く、化学療法を回避しても予後が変わらないと考えられています(5年後の再発リスク1.3%)。

また、マンマプリントローリスクの中には、極めて予後の良い「ウルトラローリスク」と判定される症例もあり、この場合には、化学療法のみならず内分泌療法の期間短縮や投与回避の可能性についても医師の判断により検討できるようになりつつあります。

マンマプリントはどうやって開発されたの?
化学療法による乳がんの治療は、副作用などにより多くの苦痛を伴う可能性があることが課題となっていました。そのような状況下、化学療法を受けなかった患者の5年間の追跡調査により、化学療法を受けなくても乳がんが再発しない患者の存在が明らかになりました。化学療法を回避できれば、患者の生活の質(QOL)の向上が期待できます。マンマプリントは、乳がんの再発リスクが低い患者に対しては化学療法を回避できるのではないかとの仮説に基づき、再発リスクを遺伝子で予測する検査として開発されました。
この研究では、患者のがん組織の25,000もの遺伝⼦の発現解析により、再発しにくい癌かどうかを見極める最も重要な遺伝⼦とその発現パターンを解明しました。それにより、70遺伝⼦の発現量とそのパターンを調べる遺伝子検査で再発の予測ができることがわかり、マンマプリントが誕⽣しました。マンマプリントは、再発にかかわる70種類の遺伝⼦を調べることで、⼿術後5年以内の再発のリスクを予測します。
結果は中間リスクのように判断に迷うような分類はなく、ハイリスクとローリスクの2種類の結果で判定されます。アメリカ⾷品医薬品局(FDA)の承認を受けている唯⼀の乳癌の再発予測を行う遺伝子検査です。

ブループリントでは何が調べられるのでしょう?

ブループリントは、がん細胞の遺伝子の情報に基づきがんをサブタイプに分類します。それにより、ホルモン療法、化学療法、HER2療法などのどの薬が治療に適しているかの情報が得られます。遺伝子検査により得られたサブタイプ情報は、分子サブタイプと呼ばれます。
ブループリントは、分子サブタイプ検査ができる市販の遺伝子検査としては唯一の検査です(2021年9月現在)。

乳がんのサブタイプ

がんが増殖するための仕組みには、遺伝子が関係しています。
乳がんの場合、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)に過剰に反応してしまうタイプ、HER2というタンパク質が増加しているタイプ、これらのいずれでもないタイプといった情報から、ルミナルA型、ルミナルB型(HER2陰性/HER2陽性)、HER2型、トリプルネガティブの4つのサブタイプに分類されます。

サブタイプを調べることは、薬物療法を行う際にどの薬が適しているかを選ぶ上での参考情報となります。

HER2増殖能ホルモン受容体
陽性陰性
陰性低いルミナルAトリプル
ネガティブ
高いルミナルB
(HER2陰性)
陽性問わずルミナルB
(HER2陽性)
HER2タイプ

サブタイプ分類の遺伝子検査

サブタイプ分類は、その乳がんの増殖がどのように起こっているかを見極めるものです。
ブループリントは、80個の遺伝子を解析することでがんを調べ、サブタイプを分類します。
ブループリントでは、乳がんを以下の4つの分子サブタイプに分類し、がんの治療法を決めるための重要な情報を提供します。

ルミナルA型(Luminal-A):
サブタイプが女性ホルモンに過剰に反応してしまう「ルミナル型」で、マンマプリントが「ローリスク」の患者さんは「ルミナルA型」に分類されます。
ルミナルA型の腫瘍はホルモン受容体が陽性であるため、⼀般的に内分泌療法(ホルモン療法、抗エストロゲン薬)を検討します。医師の判断により化学療法を回避できる可能性があります。

ルミナルB 型(Luminal-B):
サブタイプが女性ホルモンに過剰に反応してしまう「ルミナル型」で、マンマプリントが「ハイリスク」の患者さんは「ルミナルB型」に分類されます。
ルミナルB型はルミナルA型と比べ再発リスクが⾼いため、ホルモン療法と化学療法の併用などを検討します。

HER2 型:
サブタイプが「HER2型」の場合、主にHER2という遺伝子が過剰に増幅することで腫瘍が増幅します。
そのため、HER2を標的とした分子標的治療薬(抗HER2薬)で増幅を抑える治療法を検討します。

ベイサル型(Basal):
サブタイプが「ベイサル型」の腫瘍は⼀般的に増殖が速く、ホルモン受容体が陰性、HER2 の反応も陰性であることから、内分泌療法や抗HER2薬よりは、積極的な化学療法の実施などを検討します。

腫瘍の遺伝子の活動を調べる意味
私たち一人一人の身体はすべて細胞で構成されています。その細胞の中にある遺伝子はどの細胞をとっても同じです。しかし、別々の器官の細胞内では、それぞれ違う遺伝子が選ばれて適切な働きをしています。この働きがすべて正常な状態にあるときは、問題はありません。 しかし、がんでは何かのきっかけで、この働きが正常な状態ではなくなっているのです。がんが遺伝子の病気と言われている理由はここにあります。個人の身体の中で、細胞の遺伝子に狂いが生じているのです(親から子へ遺伝する病気とは意味が違います)。

機能がコントロールされている健常な細胞に比べて、がん細胞の中ではいくつかの遺伝子が特に活発であったり、特に不活発であったりします。この異常な働きにより、腫瘍細胞は作るべきでないたんぱく質を作ったり、作らねばならないたんぱく質を作らなくなったりします。こうして、 細胞はコントロール不能に陥ってしまうのです。また、がん細胞がもともとあった所から別の所に移動(転移)するのも、細胞が正しい働きを失い、悪い働きをする遺伝子のコントロールを受けてしまうせいです。こうして、がん細胞は健康な細胞を破壊して蝕み、 私たちの身体を傷つけているのです。マンマプリントは、正常な遺伝子の活動がどの程度まで失われているのか、そして、その腫瘍を広げようとしている活動性がどの程度強いのかを検査します。

検査のメリット

がん細胞の遺伝子発現を調べるマンマプリントの検査結果は、一人ひとりの「がんの再発リスク」が高いのか低いのかを判定することで、化学療法の回避や内分泌療法の治療計画の判断をサポートします。
従来は病理検査で乳がんの再発リスクを判断をしてきました。
マンマプリントをはじめとする遺伝子検査は、それとはまったく違う方法で再発リスクの情報を提供します。
さらにマンマプリントとブループリントを同時に行うことで、従来の検査では得られなかった治療方針を判断するためのより詳細な情報を得ることが出来ます。

従来の病理検査と合わせて行うことで、その人にとってどのような治療が最適なのかを判断する治療計画につながります。

この検査は信頼できるのでしょうか?
薬事承認:米国FDA
マンマプリント は、多くの臨床試験で有用性が示されています。マンマプリントは、アメリカ食品医薬品局(FDA)から承認を受けた唯一の乳がんの再発リスク評価を目的とした遺伝子検査です。

ガイドラインでの推奨
米国臨床腫瘍学会(ASCO)や、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)、全米総合がん情報ネットワーク(NCCN) などの主要な乳がんの国際的ガイドラインで推奨されています。日本の乳癌診療ガイドラインにおいてもリンパ節転移の有無に関わらず推奨されています。

臨床研究による検証
マンマプリントは、これまで15,000人以上の乳がん患者を対象とした研究で検証されてきており、その結果は国際的な査読付きの医学・科学雑誌に150報以上が掲載されています。これらの多数の研究からマンマプリントによる再発リスクの判定の確からしさの証となっています。

代表的な臨床研究︓MINDACT試験
マンマプリントの臨床研究の中でも、最も高く評価されているのがMINDACT試験です。MINDACT試験は、早期乳がんの手術を受けた女性6,693名(9カ国112施設)を対象にした試験です。この結果は、医学会で高い権威を持つNew England Journal of Medicine や Lancet Oncology といった医学誌に掲載されました。

従来の検査(臨床病理学検査)で再発リスクが高いと分類された患者の約50%は、マンマプリントではローリスクに再分類され、化学療法を回避し、かつ治療成績に影響を与えませんでした1

リンパ節転移があり(1~3個)、かつ臨床的に高リスクと分類された患者においても、マンマプリントでローリスクと判定された患者は、化学療法を受けなくても、化学療法を投与された場合と同様に95%は5年後の転移が認められませんでした2

さらに、従来検査で高リスクの50歳以上のうち、マンマプリントでローリスクと判定された患者では、化学療法の有無にかかわらず、約90%の方で、8年後の再発が見られませんでした2

マンマプリントを行うことで臨床的に高リスクと評価される場合でも、約50%の患者で化学療法を回避できる可能性があります。

1)Cardoso, F., et al. N Engl J Med 2016;375:717-
2)Piccart, M., et al. Lancet Oncol. 2021 Apr;22(4):476-488

マンマプリントは誰でも受けられるのでしょうか?

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マンマプリント と ブループリント は以下の方が対象です。
担当医師とご相談ください。

  • 早期乳がん( I または II、手術可能なステージIII )
  • 腫瘍の大きさが5㎝以内
  • エストロゲン受容体陽性・陰性は問わない
  • HER2陽性・陰性は問わない
  • リンパ節転移なし、または、リンパ節転移1~3個
  • 閉経前、閉経後は問わない

検査を受けるには

マンマプリント+ブループリント は、患者さんの腫瘍組織を用いて実施されます。診断時の生検(バイオプシー)または手術時に取り出した腫瘍の一部(検体)を使いますので、検査の希望を担当医師に申し出てください。検体は、日本の会社を通じて、アジェンディア社(Agendia 社)に送付されます。検査は、厳しい品質管理と妥当性を確保した検査所*で実施しています。

*CLIA認証(アメリカの臨床検査室改善法に準拠していることを示す)およびCAP認定(アメリカ病理学会の定める基準を準拠していることを示す規制要求事項順守認定)を受けた検査所

検査結果が出るまでに、約2週間かかります。この検査は、医療機関を通してのみ、お申込みが可能です。ご希望の方は医療機関にてお申込みください。

検査費用について

保険適用となっていないため、現在日本では自由診療で検査が行われています。費用は医療機関によって異なりますので、医療機関にご相談ください。

また、加入している民間保険の商品により、給付金が支払われる場合があります。詳しくは各保険会社へお問合せください。

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