研究開発
関節リウマチ

概要

 関節リウマチは、関節に炎症が起こり、進行すると軟骨や骨の破壊により関節の機能が失われ、日常の身体活動に著しい困難をきたす疾患です。関節リウマチの治療は、長らく,免疫調節薬や免疫抑制薬をはじめとする疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)に頼った病気の進行を遅らせるための治療が主たるものでした。しかし近年,生物学的製剤の登場により、病気の進行がない「寛解」という状態を目標とした治療が可能となりました。一方で、生物学的製剤は薬価が高く、また効果に個人差があることが明らかとなっています。さらに、創薬研究が進む中で複数の生物学的製剤が承認されてきています。個々の患者にどの薬剤が最も効果が見込めるか、最適な治療を行うための客観的な指標が存在しないため、個別化医療の大きな課題となっています。
 
 DNAチップ研究所では、生物学的製剤投与を始める前の関節リウマチ患者を対象に、免疫細胞の遺伝子の働き具合(遺伝子の発現状況)を網羅的に検査し、生物学的製剤の効果を予測する研究を慶應義塾大学、埼玉医科大学総合医療センターと共同で進めています。さらに、原因不明の関節リウマチの発症・進行に関わる新規分子の発見、また進行度や治療効果を示す遺伝子のバイオマーカー探索研究も行っています。

主な共同研究先と研究テーマ

  • 末梢血によるリウマチ早期疾患シグニチャー解析法を用いてリウマチの遺伝子特性に着目した健診・検査用の診断法の研究
    共同研究先:学校法人慶應義塾大学,学校法人埼玉医科大学,学校法人北里大学

論文

  • Identification of baseline gene expression signatures predicting therapeutic responses to three biologic agents in rheumatoid arthritis: a retrospective observational study.
    Nakamura S, Suzuki K, Iijima H, Hata Y, Lim CR, Ishizawa Y, Kameda H, Amano K, Matsubara K, Matoba R, Takeuchi T.
    Arthritis Research & Therapy. 2016 Jul 19;18:159.
    2016
    https://arthritis-research.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13075-016-1052-8
  • Prediction of efficacy of anti-TNF biologic agent, infliximab, for rheumatoid arthritis patients using a comprehensive transcriptome analysis of white blood cells.
    Tanino M, Matoba R, Nakamura S, Kameda H, Amano K, Okayama T, Nagasawa H, Suzuki K, Matsubara K, Takeuchi T.
    Biochem Biophys Res Commun. 2009 Sep 18;387(2):261-5.
    2009
    http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0006291X09013163