研究開発
うつ病

概要

 我が国のうつ病の患者数は、近年、増加の一途をたどっています。平成29年に行われた厚生労働省「患者調査」によると、うつ病を含む気分障害患者は127万人と報告されており、治療を受けていない患者を含めるとその数は2~3倍に上ると想定されます。また、自殺とうつ病による休業・失業による社会的損失額は1年間で約2兆7千億円にのぼる(2009年 厚生労働省と国立社会保障・人口問題研究所の調査)と見込まれており、うつ病は我が国が解決すべき重要な社会問題の一つであるといえます。
 現在、うつ病の診断は、問診をベースとした診断基準に基づいて行われています。その正確な診断には、専門の知識、十分なカウンセリングが必要であり、経験を積んだ専門医でないと難しいとされています。うつ病の診断・診療は主観的要素が大きく、うつ病の状態を反映する客観的なバイオマーカーの存在が切望されています。
 そこでDNAチップ研究所では、うつ病患者と健常者の血液に発現する全ての遺伝子の発現量を調べることで、うつ病患者に特徴的な遺伝子バイオマーカーの探索を行っています。

主な共同研究先と研究テーマ

  • ストレス性神経疾患の血液遺伝子発現解析の研究
    共同研究先:国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

論文

  • Integrated profiling of phenotype and blood transcriptome for stress vulnerability and depression.
    Hori H, Nakamura S, Yoshida F, Teraishi T, Sasayama D, Ota M, Hattori K, Kim Y, Higuchi T, Kunugi H.
    J Psychiatr Res. 2018 Sep;104:202-210.
    2018
    https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022395618306101
  • Blood-based gene expression signatures of medication-free outpatients with major depressive disorder: integrative genome-wide and candidate gene analyses.
    Hori H, Sasayama D, Teraishi T, Yamamoto N, Nakamura S, Ota M, Hattori K, Kim Y, Higuchi T, Kunugi H.
    Sci Rep. 2016 Jan 5;6:18776.
    2016
    http://www.nature.com/articles/srep18776